発達を促す試行錯誤とは❶扱う

1.試行錯誤

辞書で調べると、「新しい物事をする際、試みと失敗を繰り返しながら次第に見通しを立て、解決策を見出していくこと」「新しい学習を行う際、初めは無意識的な種々の反応を生じるが、偶然に成功した反応が以降繰り返され、次第に無駄な反応をを排除していくこと」などなどの意味が記されていました。

でもそれはある程度の発達に達している場合だと思います。子ども達を注意深く見てみると、遊びながら対象に関わる際に、

「失敗した」という感覚を必ずしも抱いていないのでは?と感じます。

子どもが目的をもって物事に取り組むとき、「できた」「できない」「成功した」「失敗した」とした、「自分の意図が実現したかどうかについて子どもなりの評価をしていることがあります。例えば、積み木で家を作る。自分だけで作っていてはどんな形でもそれは「満足した家」になります。これでは、「できた⇔できない」「成功した⇔失敗した」が分かりません。

しかし、そこに兄弟なり友達が同じように積み木で家を作っていたらどうでしょうか?「今よりもっとこうしたい」「同じように作りたい」などと、自分の目的と現状を照らし合わせて判断する事があると思います。

試行錯誤とは、「誰か」の存在がとても重要なのです。

2.試行錯誤の手がかり

試行錯誤を細分化してみると、大きく4つ

❶扱う

❷試す

❸工夫する

❹挑戦する

**~*❶扱う*~**

「扱う」を特徴づけているのは「欲求・目的」の要素です。

例えば、砂場で遊んでいる子どもが型抜きのカップで砂がすくえることに気が付いてサラサラとすくっては砂を落とすことを楽しんで繰り返す姿があったとします。この場合は「欲求・目的」に着目すると、何かの目的のために砂を繰り返すという行為をしていることから対象物に合わせて自分が変わっていると言えます。この時点では、自分の意図が実現したかどうかの明瞭度は低く、そもそも意図が曖昧です。でも、この「意図なくに繰り返している姿」がとても大事な時期なんです。この経験がコップから溢れたときに次の「試す」への発達に繋がります。それには、何度も繰り返しの言葉になりますが、五感を育てる必要があるんです。五感が育ち感じるからこそ、扱う⇒試す⇒工夫する⇒挑戦するに繋がるのです。この成長が、見通しが持てることへも繋がるのです。

つづきはまた。